所属する市区町村が無い場所の一覧

国土地理院が公開する地図のデータに「地球地図日本」というデータがある。このデータには、各県、各市区町村の境界を表す2Dポリゴンデータと、それぞれのポリゴンが属する市区町村のコード番号、およびアルファベット表記の市区町村名が記録されている。自分はこのデータを使い、このホームページ内で公開している地図を作成しているのだが、その過程で、市区町村名が割り当てられていない場所があることに気付いた。その場所がどうやら、最近のニュースで話題になっている東京湾の埋立地のことであるようである。

地図で示すと下図中の赤で示した場所になる。ニュースで見た「中央防波堤埋立地」と呼ばれる場所と一致する。国土地理院の「地球地図日本」では、市区町村名が「unknown」の略と思しき「UNK」と表記される。この場所は、2020年東京五輪で水上競技会場が設けられる予定となっているそうなのだが、東京都に属することは間違いないが、どの区に属するのかは埋め立てが始まって以来、結論が出ていないらしい。オリンピック会場にするのに争っていては国際社会で示しが付かない、ということなのだろうと推察する。

「地球地図日本」（国土地理院）を加工して作成
（http://www.gsi.go.jp/kankyochiri/gm_jpn.html）

上の地図中には、所属不明の人工島らしき場所が、臨海副都心側の大きい島と、新木場に近い小さい島の2箇所見られるが、江東区と大田区で調停が申請された件で対象となっている場所は大きい方の島、中央防波堤と呼ばれる埋立地である。小さい島の方は「若洲」と呼ばれているようだ。

名古屋港の人工島

本州ではもう一箇所、「地球地図日本」上で市区町村名「UNK」とラベルされた場所がある。名古屋港にある「ポートアイランド」と呼ばれる、これも埋め立てで作られた人工島である。下の地図に見られるように五角形をした島で、浚渫土砂の処分場として利用されているそうだが、具体的な土地利用計画は2017年現時点で不明のままであるとのこと。

「地球地図日本」（国土地理院）を加工して作成
（http://www.gsi.go.jp/kankyochiri/gm_jpn.html）

伊豆諸島の東京都直轄の無人島

伊豆諸島の南方には3箇所、市区町村名「UNK」とラベルされた場所がある。鳥島、須美寿島、孀婦岩という名前の無人島で、いずれの市区町村にも属さないが東京都直轄という土地である。伊豆諸島は八丈島の南の青ヶ島が南端と思われがちだが、実際には小笠原諸島に至るまでに何個か島があり、それが鳥島、須美寿島、孀婦岩である。ベヨネーズ列岩という島嶼もあるのだが、こちらも市区町村に属さないという情報もあるが、「地球地図日本」上では「青ヶ島村」のコード“13402”が割り振られている。

「地球地図日本」（国土地理院）を加工して作成
（http://www.gsi.go.jp/kankyochiri/gm_jpn.html）