新世紀エヴァンゲリオンの作品時系列と劇中時系列

1995年10月4日にテレビで放映が開始された「新世紀エヴァンゲリオン」は、劇中の舞台を2015年から2016年としていますが、時の経過により現実世界の2016年は過ぎ、 今や私たちにとってエヴァンゲリオンは過去の時点を描いている作品となりました。
旧劇場版「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に」の公開から10年後、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」が制作されるようになり、 2007年9月1日には「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」が公開されました。新劇場版の制作には当初の予定より大幅に年数が掛かっており(※1)、 「Q」と「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」の間には7年のブランクが空いています。その結果、アニメ版の劇中時系列と新劇場版の発表の時系列とが錯綜する形となりました。
エヴァには漫画版があり、1995年2月から月間少年エース誌に連載され、最終話が2013年7月、完結までに18年5ヶ月を要しています。時系列を考えると、旧版と新劇場版の放映・公開の時系列と 重なっており、映像作品・漫画版・劇中の時系列とを同時に年表にすると興味深いものになるのではないかと考えました。

※1:2006年10月時点では、4部作の完結が2008年初夏となっていました。

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年表

下図に作成した年表を示します。縦軸は時間を表しており、年表中の項目の位置はその項目が起きた日にちを正確に表しています。そのため、項目間に空いた間隔の長さから、前作の発表から どれほどの時間が経過しているのかを直観的に見ることができます。

新世紀エヴァンゲリオン 年表

TVシリーズ・旧劇場版

TVシリーズの放送期間は、第壱話「使徒、襲来」の放送日が1995年10月4日、第弐拾六話「世界の中心でアイを叫んだけもの」の放送日が1996年3月27日ですので、5ヶ月23日です。
続編の「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生 DEATH & REBIRTH」の公開日が1年後の1997年3月15日、最終話となる「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に」の公開日が 4ヶ月後の1997年7月19日であるから、「新世紀エヴァンゲリオン」の第壱話の放送から最終話の公開まで掛かった期間は1年9ヶ月半ほどです。GAINAXはこの短い期間の中で「新世紀エヴァンゲリオン」 を製作しました。劇中で描かれるセカンドインパクトの発生日は2000年8月15日ですので、セカンドインパクトの3年前にストーリーを完結させることができました。

劇中では第3~第17使徒が襲来しますが、第17使徒タブリス以外は襲来の日にちの設定があります。意外にも、劇中における使徒襲来の間隔が最も長いケースは第9使徒マトリエルから第10使徒サハクィエルの襲来までであり、 その間は102日間です。逆に最も間隔が短いケースは第13使徒バルディエルから第14使徒ゼルエル襲来までの5日間でした。

新世紀エヴァンゲリオン漫画版単行本の発行の時間間隔
新世紀エヴァンゲリオン漫画版単行本の発行の時間間隔
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漫画版

漫画版の単行本の完結までには長い年月が掛かっており、単行本第1巻の発行はTVシリーズ放送開始前の1995年10月4日ですが、休載が多く、単行本の発行の間隔が1年以上空くことがほとんどであったため、 最終巻の第14巻の発行日は第1巻の発行日から19年1ヶ月後の2014年11月26日となりました。劇中で第3使徒サキエルが襲来する日は2015年6月22日ですので、この日は劇中のストーリーが始まるほんの7ヶ月前ということになります。
1995年時点で14歳の少年がエヴァの単行本を読み始めたとして、彼が最終巻を手にする日は33歳になってからということになります。
単行本第1巻の発行から第13巻の発行の時点まで17年3ヶ月が掛かっていますが、この時間とはセカンドインパクトが2000年8月15日に起こり、サードインパクトが2016年に起きるまでの16年間よりも 長い年月です。
第1巻発行時点で碇シンジと同い年だった少年は、最終巻発行時点で加持リョウジの4歳上となってしまっています。
下図に漫画版単行本の時間間隔をグラフに示します。

新世紀エヴァンゲリオン漫画版単行本の発行の時間間隔

漫画版の単行本発行の間隔で最長となった巻は第11巻から第12巻までの間であり、その間隔は1019日です。第11巻は渚カヲル戦、第12巻からが旧劇場版を描く内容となっています。この間に新劇場版の「序」と「破」の 公開が連なっているため、貞本氏が多忙となったことが休載が続いた原因でしょう。
次に単行本発行の間隔が長い巻が第12巻から第13巻(964日)、その次が第4巻から第5巻(786日)です。単行本第4巻の発行時点は旧劇場版の公開のやや後で、この時期からエヴァンゲリオンが社会的にブームとなったため、 エヴァの漫画版=4巻まで、と印象のある方は多いのではないでしょうか。ブームを経た約2年後にようやく第5巻が発行されました。

新劇場版

新劇場版の公開は、前述したように制作企画発表当初は2007年から2008年までの期間に行われるとれていましたが、新劇場版4部作はエヴァンゲリオン作品史上類を見ない甚だしい制作遅延が発生しており、「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」 の公開は2020年とされ、「序」の公開から実に13年の年月が経過するという事態が起きています。13年という年月は、TVシリーズ第壱話の放送日1995年10月4日から旧劇場版の公開を経て 2007年9月1日の「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」の公開日までに経過した12年間よりも更に長い期間であり、この記事の公開日である2020年9月21日にあってもこの新劇場版4部作は完結していません。
特に「Q」から「シン」までの7年間が全作品を通じて際立って長いブランクですが、この間に「シン・ゴジラ」が制作されるというイベントがあったため、影響があったのかもしれません。
また、「破」から「Q」まで経過した3年5ヶ月という期間も非常に長く、漫画版単行本発行に見られた11巻から12巻までの最長のブランク2年10ヶ月を超えています。
下にエヴァンゲリオン映像作品の作品間の時間間隔をグラフで表します。

新世紀エヴァンゲリオン漫画版単行本の発行の時間間隔
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