平均年齢が高い市区町村ランキング

政府が公開する統計データによると、平均年齢が最も高い市区町村は福島県飯舘村で平均年齢88.7歳です。このページでは、平均年齢が高い日本の市区町村上位5位について、その平均年齢と人口ピラミッドを示します。

まず、下に日本の人口ピラミッドを示します。年齢は5歳刻みです。日本全国の平均年齢は46.4歳です。

日本の人口ピラミッド

「平成27年国勢調査結果」(総務省統計局)を加工して作成

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平均年齢が高い日本の市区町村上位25位までを下図に示します。山間部の市町村が上位に多い傾向が表れています。福島県飯舘村の平均年齢は、上位25位の中でも飛び抜けて高いのですが、どのような原因によるのでしょうか。

市区町村の平均年齢 降順

「平成27年国勢調査結果」(総務省統計局)を加工して作成

1位 福島県飯舘村 平均年齢88.7歳

日本で平均年齢が最も高い市区町村は、福島県飯舘村です。平均年齢は88.7歳と大変に高齢ですが、その理由は福島第一原発事故に影響したものです。平成27年国勢調査の時点の飯舘村の人口は41人(うち34人が女性)となっていますが、その前の国勢調査である2010年では6209人でした。村民41人全員が伊丹沢字伊丹沢という地区に集中して居住しているというデータになっています。福島県飯舘村について画像検索すればわかるように、豊かな自然に恵まれた美しい村なのですが、明治三陸津波(遡上高38.2m)の事例から津波のリスクが明らかに想定できる中で起きた深刻な原子力事故のために、生まれ育った村から避難を余儀なくされたという現実が統計データに顕れています。2015年時点で74歳以下の方は飯舘村内には無く、人口の41人全員が75歳以上の高齢者となっています。老年人口割合は100.0%であり、日本一です。また、年少人口割合も0.0%であり、これも同県葛尾村と並び日本最小です。2018年4月現在、長泥を除き飯舘村は避難指示が解除されています。人口構成は変化しているかもしれません。
地震という1000年という時間スケールを持つ確率現象をたかだが50年程度の観測データを基にそのリスクを評価できないということを我々は言い切ることができます。

福島県飯舘村の人口ピラミッド

「平成27年国勢調査結果」(総務省統計局)を加工して作成

詳細:福島県相馬郡飯舘村の人口ピラミッド

2位 群馬県南牧村 平均年齢66.0歳

平均年齢が最も高い市区町村第2位は群馬県南牧(なんもく)村で、平均年齢は66.0歳です。南牧村の人口は1979人であり、うち60.5%にあたる1197人が65歳以上の方です。日本の市区町村の中で、老年人口割合が福島県飯舘村に次いで2位の村となっており、老年人口割合が60%を超える市区町村は群馬県南牧村と福島県飯舘村しかありません。ちなみに、日本全国の老年人口割合は26.6%です。また、南牧村の15歳未満の人口割合は3.0%であり、これも0.0%の福島県飯舘村、葛尾村に次いで全国3位の少なさです。

群馬県南牧村の人口ピラミッド

「平成27年国勢調査結果」(総務省統計局)を加工して作成

詳細:群馬県甘楽郡南牧村の人口ピラミッド

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3位 奈良県川上村 平均年齢64.3歳

平均年齢が最も高い市区町村第3位は奈良県川上村で、平均年齢は64.3歳です。南牧村の人口は1313人であり、うち58.7%にあたる771人が65歳以上の方です。川上村内には景勝地が多く、不動窟などのいくつかの鍾乳洞が存在します。

奈良県川上村の人口ピラミッド

「平成27年国勢調査結果」(総務省統計局)を加工して作成

詳細:奈良県吉野郡川上村の人口ピラミッド

4位 長野県天龍村 平均年齢64.0歳

長野県天龍村は長野県の南端に位置する村で、人口1365人、うち59.0%の方が65歳以上となっています。15~64歳の方の割合である生産年齢人口割合が天龍村は35.2%であり、この数字は福島県飯舘村の0.0%に次いで全国2番目に低い数字です。日本全国の生産年齢人口割合は60.7%ですから、平均よりも25.5%低い数字です。

長野県天龍村の人口ピラミッド

「平成27年国勢調査結果」(総務省統計局)を加工して作成

詳細:長野県下伊那郡天龍村の人口ピラミッド

5位 群馬県神流町 平均年齢63.7歳

群馬県神流町(かんなまち)は人口1954人の町で、うち65歳以上の方の割合は56.1%です。神流町は万場町と中里村の町村合併によりできた行政区域です。神流町は丘陵地帯が多く、地形を利用した段々畑が多くあり、逆に水田は全くありません。

群馬県神流町の人口ピラミッド

「平成27年国勢調査結果」(総務省統計局)を加工して作成

詳細:群馬県多野郡神流町の人口ピラミッド

全国市区町村の平均年齢の色分け地図

日本の各市区町村の平均年齢を地図に示すと下図のようになります。平均年齢が若い地域は都市部に分布し、平均年齢が高い地域は内陸部や突端の地域に多く分布しています。

全国市区町村の平均年齢の色分け地図

「平成27年国勢調査結果」(総務省統計局)
「地球地図日本」(国土地理院)を加工して作成
http://www.gsi.go.jp/kankyochiri/gm_jpn.html

日本の全市区町村の平均年齢を上から降順に示すと下図のようになります。上位と下位で急激に平均年齢が変化しています。

市区町村の平均年齢 全体

「平成27年国勢調査結果」(総務省統計局)を加工して作成

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