大学進学率の推移
1954年以降の大学進学率のデータが文部科学省より公開されています。
このデータによると、大学進学率は、18歳人口と逆の相関を示すように増減しながら、男子では1960年時点で13.7%だった進学率が2021年には58.1%へ、女子では1960年時点で2.5%だった進学率が2021年には51.7%へ増加しました。
下図に、男女の18歳人口と大学進学率（過年度入学（浪人）を含む）の時系列推移を示します。この図を見ると、女子の大学進学率が80年代中盤以降急激に増加していることがわかります。
1991年に18歳人口はピークを迎え、その後現在に至るまでその人口は減少傾向にあります。
少子化が進むと、受験資格のある人口に対する大学の入学定員の比率が増すため、結果的に進学率が高まるからだと考えられます。
少子化に伴い国立大学は在籍者数を減らしていますが、一方で私立大学は逆に在籍者数を増やしているため、少子化の中でも大学生の数が全体として増え続けています。
下図では、大学の在籍者数の推移を国公私立別、また男女別に示しています。同時に大学の学校数を国公私立別にプロットしています。
この図を見ると、大学生の数の劇的な増加の原因は2つ考えられ、1つは私立大学の増加、もう1つは女子の進学率の増加です。
私立大学の増加
1950年時点では、全国には201校の大学があり、国立大学が70校、公立大学が26校、私立大学が105校ありましたが、
2021年になると国立大学の数は16校増え86校、公立大学は72校増え98校、一方で私立大学は514校と大幅に増えて619校となりました（約6倍）。
学校数の増加につられ、私立大学に在籍する学生数は、1950年時点では13万5072人だったものが、2021年には205万749人となり、15倍以上の増加となっています。
増加率を見ると公立大学の在籍者数の増加が一見顕著に見えますが、公立大学が増加した理由は、1990年代から2000年代にかけて行われた短期大学の4年制化による比重が多いため、
私立大学の増加の主因である大学新設とは意味が違います。また、経営難に陥った私立大学が公立化を行った場合も含まれます。
大学生数の絶対値を見ても、2021年時点の国公立大学の合計数58万人に対して私立大学在籍者数は205万人ですので、大学生の増加の大きな原因は私立大学の増加であると言えます。
女子の進学率の増加
下に2021年時点の国公私立別の大学在籍者数における男女比を円グラフで示しています。
大学在籍者数全体では、男子が54.4%、女子が45.6%を占めています。
下に1960年時点の国公私立別の大学在籍者数における男女比を円グラフで示しています。
大学在籍者数全体では、男子が86.1%、女子が13.9%を占めていました。
2つのグラフを比較すると、1960年時点と比べて明らかに女子の大学進学率が増加していることがわかります。 4年制大学に進学する人は、1960年当時はほとんどが男子でしたが、2021年になると男女の大学進学率はおよそ同程度になった言えます。