通勤時間が長い都道府県ランキング
各都道府県にお住いの方の平均通勤時間を順位付けしてグラフに示しています。
「平成25年住宅・土地統計調査」によると、平均通勤時間が最も長い都道府県は神奈川県であり、片道の平均通勤時間は48.0分です。2位は千葉県で平均通勤時間45.7分、3位は東京都で43.8分、4位は埼玉県で43.7分です。4位までを南関東の1都3県が独占しています。5位から8位は奈良県、大阪府、兵庫県、京都府と関西の府県が続きます。
逆に、平均通勤時間が最も短い都道府県は宮崎県(17.7分)です。2番目と3番目はともに平均18.3分の島根県と鳥取県です。
「平成25年住宅・土地統計調査」(総務省統計局)を加工して作成
1位 神奈川県 48.0分
日本一通勤時間が長い都道府県は神奈川県です。神奈川県内でも特に通勤時間が長い地域は湘南エリアで、全国市区町村で平均通勤時間1位の葉山町(65.7分)、全国2位の逗子市(61.3分)、全国8位の鎌倉市(56.4分)が位置しています。
神奈川県には都心へ通勤する労働者が多く居住しており、2位の千葉県とともに都心をドーナツ状に囲む通勤時間が長い地帯(後述)の南部をなしています。
2位 千葉県 45.7分
日本で2番目に平均通勤時間が長い都道府県は千葉県です。千葉県内でも特に通勤時間が長い地域は千葉県北西部の千葉ニュータウン周辺であり、印西市(59.5分)、白井市(56.7分)、船橋市(53.7分)が位置しています。1970年代からベッドタウンとして開発が進められてきた地域であり、都心をドーナツ状に囲む通勤時間が長い地帯(後述)の東部をなしています。
3位 東京都 43.8分
日本で3番目に平均通勤時間が長い都道府県は東京都です。特に多摩地域東部で通勤時間が長く、町田市(58.0分)、清瀬市(55.9分)、西東京市(55.2分)や小金井市(54.8分)で平均通勤時間が長くなっています。特別区では通勤時間が比較的短くなっており、代わりに平均家賃が高くなっています。
各都道府県の平均通勤時間を示す全国地図
各都道府県の平均通勤時間を色で示した地図を下に示しています。俯瞰してみると、日本では片道の通勤時間は20分以内が普通と言えます。住む地域により異なる“常識”が形成されていますが、片道2時間、往復4時間という生活は極めて異常と言えるでしょう。
「平成25年住宅・土地統計調査」(総務省統計局)
「地球地図日本」(国土地理院)を加工して作成
(http://www.gsi.go.jp/kankyochiri/gm_jpn.html)
首都圏の平均通勤時間
平均通勤時間が特に長い地域は首都圏です。首都圏における平均通勤時間の分布を示す地図を拡大してみると、東京都心を中心とするドーナツ状の分布が観察できます。神奈川県湘南地区、東京都多摩地区、埼玉県南部、千葉県北西部に平均通勤時間が長い地域が集中しており、これらが東京都心を囲むように分布しています。ドーナツの中心には東京都千代田区が位置しており、この地域に住む方の平均通勤時間は22.2分です。オフィス街に自宅を構えているような状態と思われますので、遠い土地に職場を持つ方が珍しいのでしょう。
ドーナツ状の分布を示すもう一つの理由は、職の多い都心部に職場がある方がドーナツの輪の外に家を構えてしまうと、実際上通勤できないためであると考えれます。結果、ドーナツの外縁が形成されます。もし労働者が無限に通勤時間を費やせるのであれば、漏斗状の分布が地図上に示されることになると想像されます。
「平成25年住宅・土地統計調査」(総務省統計局)
「地球地図日本」(国土地理院)を加工して作成
(http://www.gsi.go.jp/kankyochiri/gm_jpn.html)
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