共働きの夫婦と専業主婦・主夫世帯の割合
政府が公開する統計データに基づき、共働きの夫婦、専業主婦・主夫世帯の割合を年齢別に調べ、グラフ化しました。
各年齢層における共働きの夫婦の世帯の割合や、夫の年収と専業主婦世帯の割合の関係について記述します。
年齢別のデータ
夫婦の就業状態を、1.夫婦共働き、2.妻のみ無業者・夫のみ有業者、3.夫のみ無業者・妻のみ有業者、4.夫婦ともに無業者の4つに分類し、 年齢層別に各世帯割合の分布をグラフに表すと下図のようになります(年齢は夫の年齢を使用)。
「平成29年就業構造基本調査結果」(総務省統計局)を加工して作成
(http://www.stat.go.jp/data/shugyou/2017/)
ここでは、就業状態が無業者の妻を専業主婦、就業状態が無業者の夫を専業主夫と考えるとして、
上の図から明らかにわかることは、専業主夫よりも専業主婦の方が遥かに多いということです。
例えば、夫の年齢が30~39歳の世帯においては、妻の34.7%が無業者、すなわち専業主婦となっていますが、一方で無業者となっている夫、すなわち専業主夫はわずか1.1%です。
下表に各年齢層の夫婦の就業状態の割合を示します。夫婦共働きの夫婦は、夫が40代の世帯で最も割合が高く、72.6%に上ります。この年齢層の夫婦においては、専業主婦世帯は26.5%です。
夫の年齢 | 夫婦ともに無業者 | 夫のみ無業者 | 妻のみ無業者 | 夫婦共働き |
---|---|---|---|---|
総数 | 21.1% | 4.5% | 25.1% | 49.3% |
30歳未満 | 0.6% | 0.9% | 34.4% | 64.1% |
30~39歳 | 0.4% | 0.7% | 34.2% | 64.7% |
40~49歳 | 0.3% | 0.9% | 26.2% | 72.6% |
50~59歳 | 1.1% | 1.67% | 26.0% | 71.3% |
60~69歳 | 19.9% | 9.8% | 29.6% | 40.7% |
70歳以上 | 67.6% | 7.2% | 13.8% | 11.4% |
夫が30代の夫婦では、専業主婦世帯の割合は34.6%、50代の夫婦では26.0%となっています。共働きの世帯の割合は、夫が30代の夫婦では64.7%、50代の夫婦では71.3%となっています。
有業者である夫・妻の年収分布
夫の年齢について年齢層別に世帯を分類し、妻の就業状態・年収分布をグラフに表すと下図のようになります。
「平成29年就業構造基本調査結果」(総務省統計局)を加工して作成
(http://www.stat.go.jp/data/shugyou/2017/)
妻が有業者であるとはいっても、雇用形態がパートやアルバイトである場合が多く、また、正社員等の正規の職員・従業員であっても時短勤務等を行い収入が通常勤務の場合より少ない場合があります。
妻の年収が200万円以上となる世帯の割合を数値で見てみると、妻が有業者の世帯のうちその割合は半数以下であり、夫が30歳未満の世帯で最も高く35.7%、年齢が高くなるにつれその割合は低まり、
夫の年齢が50代の世帯では妻の年収が200万円以上となる世帯の割合は25.8%となっています。
夫の年齢 | 妻が無業者 | 妻の年収が 200万円未満 | 妻の年収が 200万円以上 | 妻が家族従業者 |
---|---|---|---|---|
総数 | 46.4% | 32.6% | 18.4% | 2.6% |
30歳未満 | 35.2% | 28.7% | 35.7% | 0.4% |
30~39歳 | 34.7% | 33.8% | 30.5% | 1.0% |
40~49歳 | 26.7% | 45.1% | 26.5% | 1.7% |
50~59歳 | 27.2% | 44.9% | 25.8% | 2.1% |
60~69歳 | 49.7% | 33.3% | 12.9% | 4.1% |
70歳以上 | 81.7% | 12.1% | 2.6% | 3.5% |
同様のグラフを夫の就業状態・年収分布について作成すると下図のようになります。
夫の場合、50代までは無業者の割合が3%以下ですが、60代以降は定年退職により急激に無業者の割合が増えます。
「平成29年就業構造基本調査結果」(総務省統計局)を加工して作成
(http://www.stat.go.jp/data/shugyou/2017/)
下のコンボボックスから夫の年齢層を選択することで、その年齢層の夫がいる世帯における夫・妻の就業状態・年収の分布が円グラフで表示されます。
夫
妻
夫の年齢
「平成29年就業構造基本調査結果」(総務省統計局)を加工して作成
(http://www.stat.go.jp/data/shugyou/2017/)
例えば、30代の夫の年収を見た時、分布の割合が最も高い層は年収400~499万円の層であり、22.4%の割合です。その次が300~399万円(19.2%)、そして500~599万円の層(18.4%)と続きます。 30代の夫の60%は年収が300~599万円という結果となっています。他の年齢層についても上の円グラフを操作することで年収分布を調べることができます。
夫の年収と妻が専業主婦である世帯の割合の関係
直観的には、夫の年収が高いと妻が専業主婦となる割合が高くなるのではないかと思われますが、実際にその傾向はあるのか、統計データから調べられます。
横軸に夫の年収を取り、妻の就業状態・年収分布を縦方向に色分けする棒グラフを作成すると下図のようになります。
夫の年齢
棒グラフの縦軸
世帯数
比率
「平成29年就業構造基本調査結果」(総務省統計局)を加工して作成
(http://www.stat.go.jp/data/shugyou/2017/)
夫が30代である世帯の場合、夫の年収が250~299万円の世帯では、妻が専業主婦である世帯の割合は24.4%となっていますが、夫の年収が上がるにつれ妻が専業主婦と
なっている世帯の割合が増加していき、夫の年収が800~899万円の世帯になると、その割合が49.3%に増加します。
夫の年収が高くなると専業主婦世帯の割合が増える傾向は、現役世代ではどの年齢層でも表れており、夫の年収が高いと妻が専業主婦となる割合が高くなると言えます。
次の記事では、夫の年収と妻の就業状態・年収との関係を詳しく紹介しています。
共働きの世帯の夫と妻の所得