男女別の就職内定率の年次推移

政府が公開する統計データに基づき、大学卒業予定者の就職内定率の年次推移を男女別にグラフとして示しました。大学卒業予定者の就職内定率の推移は国公立と私立で、および男女で若干異なる振舞いを示しています。

下図は、「大学,短期大学,高等専門学校及び専修学校卒業予定者の就職内定状況等調査」に基づき作成した、大学卒業予定者の卒業前年10月時点での就職内定率の推移を男女別に示したグラフです。

就職内定率の推移(卒業前年10月時点)大学

平成27年度大学,短期大学,高等専門学校及び専修学校卒業予定者の就職内定状況等調査
(文部科学省)を加工して作成

卒業前年10月時点の大卒の就職内定率は、男女ともに2011卒で最悪の値“59.5%”(男子)および“55.3%”(女子)を記録しています。2年前の2009卒の69.8%(男子)、70.1%(女子)と比べて10~15%低い数値です。2011卒前後の2010卒(会社による内定取り消しが始まった代)、2012卒(東日本大震災中に就活)と比べても就職内定率は悪く、2011卒は就職超氷河期の世代の中でも最も職に就くこと自体が厳しい代であったことは統計データから間違いありません。

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国公立大卒業予定者の就職内定率の年次推移

国公立大卒業予定者の就職内定率の年次推移は、リーマン・ショック後、興味深い振舞いを示しています。
まず男子についてですが、2008卒で就職内定率は最も良く、顕著なピークが顕れていますが、リーマン・ショック発生直後にすぐにそのピークは消え、2011卒まで年5%程度低下し続けました。2008卒で76.8%だった就職内定率が、2011卒では17.3%減じ、59.5%へ低下しました。2011年国公立大卒の男子は、急激な変化の中、大変に厳しい状況で就職活動を行っていたと言えます。
一方の国公立大の女子についてですが、興味深いことにリーマン・ショックが発生した後のはずの2010卒が就職内定率が、平成8年以降の数字で最も良くなっています。グラフの描画ミスを疑ったほど驚くべきデータです。政府の統計データは、女子の国公立大2010卒の卒業前年10月時点の就職内定率を73.8%と報告しています。2010卒では、リーマン・ショックで男子がうまく就職が決まらない状況の中、国公立大の女子は、きっと思いがけない良い会社に簡単に決まっていたことでしょう。しかし2011卒になると状況は一変し、男子よりも更に悪い内定率となっています(62.2%)。また、後に見るように、私立大の女子では2010卒は男子以上に就職内定率は悪かったというデータも見られ、2010卒の女子では国公立大と私立大で明暗が分かれる結果となっています。

就職内定率の推移(卒業前年10月時点)大学(国公立)

平成27年度大学,短期大学,高等専門学校及び専修学校卒業予定者の就職内定状況等調査
(文部科学省)を加工して作成

私立大卒業予定者の就職内定率の年次推移

私立大卒業予定者の就職内定率の年次推移は、国公立大卒業予定者のものと比べると、①好況だった2009卒の就職内定率のピークが顕著ではない、②90年代後半の就職内定率は、この世代も「就職氷河期」と呼ばれてはいるが、私立大の男子ではむしろ好況であった、という違いが見られます。
リーマン・ショックの衝撃は私立大女子で最も激しく、2009卒から2010卒へ1年変わるだけで就職内定率は11.7%低下しています(69.0% → 57.3%)。例年、1年ごとの就職内定率の変化は2、3%程度ですので、2010卒の学生は、自分たちの状況を把握することはまず不可能だったと思われます。先が見えない崩壊しかけの社会の中、どの程度自分たちの代が悪い状況なのかわからないまま、長い就職活動に巻き込まれてしまっていたものと推測されます。

就職内定率の推移(卒業前年10月時点)大学(私立)

平成27年度大学,短期大学,高等専門学校及び専修学校卒業予定者の就職内定状況等調査
(文部科学省)を加工して作成

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