夫婦の年齢差の統計データ
このページでは、国勢調査の結果に基づき、日本の夫婦の年齢差に関する統計データを示します。 平成27年国勢調査では、夫婦の数(夫婦数)を夫の年齢および妻の年齢により分割した表として記録しています。 この分割表を使うと、ある年齢差の夫婦は夫婦全数に対しどの程度の割合であるかを計算したり、 ある年齢の妻の婚姻相手の夫の年齢分布を調べることができます。
下図は夫婦数を夫の年齢と妻の年齢により分割した表を図示したカラーマップです。 横軸に夫の年齢、縦軸に妻の年齢を設定しています。夫の年齢と妻の年齢が同一となる対角線に黒線を加えています。 年齢層が高くなるにつれ、夫婦数の頻度が高くなる黄色の部分が、対角線から右側にずれていく傾向が見られます。 すなわち、夫の方が妻より年齢が高い夫婦の数が多くなる傾向があると言えます。
「平成27年国勢調査」を加工して作成
夫婦の年齢差を階級値として全年齢について頻度分布を調べると下図の円グラフが得られます。 各年齢差ごとに頻度を計算すると、日本では、夫が妻より1歳年上の夫婦が最も多く、その割合は13.1%です。 次に同い年の夫婦が多く、その割合は12.9%です。 次いで、夫が妻より2歳年上の夫婦(11.6%)、夫が妻より3歳年上の夫婦(10.6%)、夫が妻より4歳年上の夫婦(9.2%) が続きます。 6位に夫が妻より1歳年下の夫婦がランクインし、その割合は7.7%、7位は夫が妻より5歳年上の夫婦(7.4%)となっています。
「平成27年国勢調査」を加工して作成
日本の夫婦数を母数とすると、夫が妻より年上の夫婦、同い年の夫婦、夫が妻より年下の夫婦の割合は下記になります。
夫が妻より年上の夫婦:69.3%
同い年の夫婦:12.9%
夫が妻より年下の夫婦:17.7%
夫婦の年齢差の平均
夫婦の年齢差の平均の計算の仕方は、データ中にある各夫婦の正負の年齢差を夫婦数で割れば得られます。 平成27年国勢調査によれば、日本の夫婦は平均して夫が妻より2.413歳年上になります。夫婦の年齢差の標準偏差は4.02歳です。
夫婦の年齢差の年代による変化
夫婦の年齢差は年代により変化します。年代が上がると夫より妻が年下となる夫婦の割合が増えていきます。 その様子を下のグラフに示しています。色が夫婦の年齢差を表し、縦方向の厚さがその年齢差となる夫(もしくは妻)の頻度を表しています。 30歳の夫の場合、妻が年下となる夫婦の割合は42%ですが、60歳の夫の場合、妻が年下となる夫婦の割合は75%に増えます。
「平成27年国勢調査」を加工して作成
最も年齢歳の大きい夫婦
夫婦の年齢差に対する頻度分布を示すヒストグラムを下図に示しました。 頻度を対数として取ると、少数の頻度となる年齢差の夫婦の数も図に表れます。 平成27年国勢調査が公開するデータによると、最も年齢差が大きい夫婦は56歳差となる77歳の夫と21歳の妻の夫婦でした。 夫が妻より年下の夫婦の場合で最も年齢差が大きい夫婦は、42歳差となる22歳の夫と64歳の妻の夫婦、 および24歳の夫と66歳の妻の夫婦でした。
「平成27年国勢調査」を加工して作成
夫婦の頻度を対数軸に取ったヒストグラムを見ると、日本の夫婦の年齢差は奇妙な分布の形をしています。中央は三角形状で、 両裾で非対称に傾きが不連続的に変化しています。正規分布ではないでしょう。
年の差婚の割合
夫婦の年齢の差が10歳以上大きくなる夫婦の割合は全夫婦数に対しどの程度の割合なのかを調べました。
夫が妻より10~19歳年上 1102642件(3.8%)
夫が妻より20~29歳年上 82434件(0.28%)
夫が妻より30~39歳年上 9811件(0.034%)
夫が妻より40~49歳年上 584件(0.0020%)
夫が妻より50~59歳年上 16件(0.000055%)
夫が妻より10~19歳年下 137613件(0.47%)
夫が妻より20~29歳年下 6495件(0.022%)
夫が妻より30~39歳年下 1162件(0.0040%)
夫が妻より40~49歳年下 4件(0.000014%)
夫が妻より50~59歳年下 0件(0.0%)
夫婦の数が極端に落ち込む年代の存在
平成27年度国勢調査のデータにおいて年齢別の夫婦の頻度分布を示すカラーマップ中には不自然な直線状の筋が見えます。 一つは69、70歳の箇所、もう一つは49歳の箇所です。
「平成27年国勢調査」を加工して作成
最初はグラフの描画ミスかと考えたのですが、そうではないらしく、人口のデータを真に反映しています。
日本には出生率が極端に減った年があったそうで、その人口減の影響がカラーマップ中に
筋として表れているようです。
太平洋戦争が終わった1945、1946年の出生率は顕著に減少し、そのために平成27年国勢調査実施時に69、70歳だった方の人口自体が
少なくなっています。これが69、70歳の箇所の筋の原因と見られます。
1966年には「丙午(ひのえうま)の迷信」により出生率が減少したらしく、そのために平成27年国勢調査実施時に49歳だった方の人口自体が
少なくなっています。これが49歳の箇所の筋の原因と見られます。「丙午(ひのえうま)の迷信」とは、
「丙午(ひのえうま)年の生まれの女性は気性が激しく夫の命を縮める」というもので、この年に子どもをもうける夫婦が前後年に比べ
極端に少なくなる状況があったそうです。平成27年国勢調査においては、49歳の夫の数と妻の数の和は
50歳の夫の数と妻の数の和に比べ20%少なくなっています。